サイズ制限について思うこと


こんにちはF2Oの佐藤です!

今日はフラスタのサイズ制限に関して、思うことをダラダラ書いていきたいと思います。

※ かなり長文になります。

 

サイズ制限とは?

 

読んで字のごとく、イベントごとに定められたフラスタのサイズ規定のことです。

このサイズ制限がなぜ出来たのか、想像も踏まえて解説していきたいと思います。

 

 

まず、私が知る限りですが、数年前は祝花にサイズ制限なんてものは無かったです。

 

 

なぜか?

 

 

それは祝花(スタンド花)は基本的に一般のお客様では無く、企業法人様や芸能人の方なんかがイベントのお祝いにお贈りするもので、数もそこまで多いものでは無く、花の内容やデザインも非常にシンプルなものばかりだったからです。

 

ヴィジュアル系のバンド様宛なんかだと、一部派手な祝花を送る文化もありましたが、一般のお客様からスタンドのお花を贈るっていうのはそこまで多いことではなかったんです。

 

 

それが近年、特に声優さんのライブでを中心に、パネルやバルーンなど趣向を凝らしたスタンド花が「フラスタ」と呼ばれる独自の文化として根付き広がっていきました。

※ 普通のお花屋さんは「フラスタ」って言われてもピンとこないです。

 

SNSの普及も相まって、半ば競い合うようにフラスタのサイズはどんどん大きくなり、デザインもかなり凝った趣向やギミックを用いたフラスタも出始めてきました。

 

 

 

そこで困ったのが現場の運営スタッフ様達です。

 

 

 

フラスタが大量に贈られてくると、現場のスタッフ様は限られたスペース内に全て飾り付けられるよう、花屋が納品した後に、再設置をしたりする必要が出てくるのですが、彼らは花のプロでは無いので、うまく移動したり出来ないわけです。

 

 

・ 重いしどこを持って良いか分からない(へんな所を持って崩れたらどうしよう、、、このバッテリーは外して良いのか?)

・ どこまでがフラスタのデザインか分からない(ここにおいてあるパネルはどっちのフラスタのもの?)

・ 大きすぎて動かせない(扉を通らない、、、エレベーターに乗らない、、、これ分解できるの??)

 

etc..

 

 

数えたらキリが無いですが、きっとこんな状況だったのだと思います。

 

現場の運営スタッフ様は、祝い花を受け入れるのももちろん仕事の一つですが、メインとなるのはコンサートを運営です。時間通りに開場するためにあくせく動いているわけです。そんな中、お花の整理に時間を食ったりトラブルが発生するとメインの業務に支障が出てしまいます。

 

そんな状況を打破するために出来たのが、サイズ制限という訳です。

 

 

サイズ制限の解説

底辺のイメージ
底辺のイメージ

 

サイズ制限でよく見られる内容としては【底辺の横幅と奥行きが40cmまで、高さが180cmまで】という内容のもの。

 

高さの制限はなんとなく分かるけど、底辺のサイズって何?って思われる方は結構多いと思います。

 

 

底辺っていうのはフラスタの土台部分のことで(図参照)、ここのサイズに制限があるっていうことなんですが、基本的に我々花屋が使用するスタンド台であれば、下記の写真のような特殊なものだったとしても、まずこの制限(横幅と奥行きが40cm)を越えることは無いんです。

 

特殊なスタンド台を使用した例)

 

じゃーこれでいったいこれで何を制限(規制)しようとしているかっていうと、先述のとおり、フラスタを現場で動かす際に邪魔になるもの、具体的には「自立式のパネル」「連結スタンド」「その他分離した装飾品」等でございます。

 

底辺のサイズを超過した例)

横幅40cmのフラスタイメージ
横幅40cmのフラスタイメージ

 余談ですが、たまに【底辺の幅と奥行きが40cm以内】の「底辺」が抜けているレギュレーションをたまに見かけることがありますが、本当にそんなサイズでフラスタ作ったらエライことになりますw

※ もちろん横幅が1mまでとか、現実味があるものはフラスタ全体の横幅の制限を意味するものとしてとらえて良いです。

 

きっと他のイベント等のレギュレーションをなんとなくコピペしてるだけなんだろーなって思います。

まー実際、花のことが分からない人が作っているので致し方無い部分もありませんが、、、、

 

サイズ制限の弊害

 

例えばレギュレーションに記載されている内容は高さ180cmまでのイベントで、お客様からこんなバルーンがもりもりなデザインの要望があるとします。

 

 

※ 実際この大きなバルーン(チェーンオブハートの37インチ)を希望される方は本当に多いです。

 

フラスタを作り慣れている我々なら見ただけで「あー2.5mぐらいの高さになるから余裕でサイズオーバーだな」とおおよそのサイズが予想つきますが、もちろんですがお客様には当初の要望をまとめる段階ではサイズ感なんて分からない訳です。

※ お花屋さんでも慣れていなければ素通りしてしまう人も大勢いると思うレベルなので、、、

 

 

 皆様の希望デザインを正しいサイズに描き換えたりしながら、お客様の要望を崩し過ぎず、どうやってレギュレーションに納まるデザインに調整していくかが、我々プロの仕事になるわけです。

 

(対面ならすぐに説明が出来ることも、LINEやメールなんかだと、「あなたの希望イメージはサイズが大きすぎるので修正が必要です」って言われても、図にしたりして説明しないとなかなか伝わらないのですよね?この作図と見積りにめっちゃ時間がかかるんです。。。。。)

 

 

バルーンのサイズを小さくしてみたり、減らしてみたり、諦めたり、スタンド台をショートタイプにしてみたりと、お客様にとって相当な「妥協」が必要になるケースも次々出てきます。

 

 

「あー、あと高さ制限20cmだけでも増えれば、もっと幅が広がるのになー」

 

 

とか思いながら、なんやかんやで、サイズ制限におさまるよう苦労して苦労してデザインを作り上げて、

 

 

「さーこれで後は納品するだけ」と実際に納品しにいったら、

 

 

 

「めっちゃサイズオーバーのフラスタだらけじゃん!!!!!!」

 

 

なんてことが本当にめちゃめちゃ良く起こるのです。。

 

 

 

 

こんな状況を見ると

 

「せっかく色々妥協してくれたお客様はこんな状況を見たらどう思うのか、、、」

「自分のフラスタだけ小さくて惨めな思いをしているのでは無いだろうか、、、」

「運営や他のファンの方に変な憎悪を頂かないだろうか、、、」

 

 

そんなことを考えてしまう訳です。

 

 

※ 実際SNSでは、サイズをオーバーしたフラスタをつるし上げるみたいなこともあったりします。。。フラスタという素敵な文化も、ひとえに「運営者様のご好意の下」に成り立っているので、こんな風にもめると「フラスタ全面禁止!」なんて事にもなりかねませんので、絶対にやめましょう!(実際一部のイベントではそのような発表もでているところがあります!)

 

 

 

先ほども記載しましたが、物理的に実装可能かどうかも含めて 、お客様がフラスタのサイズ、構造のイメージが沸かないのは当然です!

 

 

そこを我々花屋がちゃんと「これはサイズオーバーですよ」とか、「これは設営時に倒れたりするリスクがありますよ!」とか指摘してあげるべきなのです。でもフラスタに慣れていない花屋も非常に多いのも事実で、「サイズ制限?なにそれおいしいの?」状態のお店もめっちゃ多いわけで、、、

 

もちろんちゃんと現地でサイズをチェックしているイベントもあるのですが、ほとんどの納品現場ではサイズチェックが行われないこと場合が多いので、そんな現場ばかりに納品している花屋さんが、いつものノリでサイズ超過のフラスタを持っていったら、チェックが厳しい現場だった!なんてこともあり、その場で見るも無残な修正を余儀なくされて、どうにか納品している姿も何度か見たことがあります。(あー、このフラスタ贈った人悲しむだろうな、、、とか思ってしまいます)

 

 

こんな状況って正直良く無いよなーーーと思ったのが今回このコラムを書いたきっかけでした。

 

 

最後に

 

そんなわけで、サイズ制限には本当はちゃんとした理由があって、最初に作った人はそれこそ、色々考えて今の形になったんだと思います。

 

でもなんだか、最近ではたいした理由も無いのに、「どこぞのイベントのレギュをそのままコピペしただけ」っていうのもあるような気がしています、、、、

 

事実、サイズ制限とは名ばかりで、全然チェックなんてしてないイベントが本当に多い!

 

 

もちろんちゃんとしたところは、サイズ規定の長さの棒を持って、フラスタサイズをしっかり確認したりしていますが、印象としてはそこまでしっかりやるイベントは全体の1割にも満たないと思っています。

 

 

なので、運営者様に言いたいことは 

 

 

サイズ制限を設けるならちゃんとチェックまでしっかりお願いします!!ってことです。

しないならサイズ制限を設けないか、もう少し大きいサイズで検討いただけると幸いです。。。。

※ 高さ制限が200cm以上になるだけでデザインの幅が一気に広がるんですよ、、、、

 

 

また、チェック体制が煩雑とは言え、お花屋さんは悲しい思いをするファンの方達が減るよう、サイズ制限はしっかり守っていきましょう!

※ 本来ならチェックなんて体制が無くても成立するよう我々がルールを守ればよいだけなので!

 

 

 

この2点が今日のコラムで言いたいことでした!

 

 

 

 

以上、佐藤でした。

 

このコラムが気に入ったらぜひシェアボタンをクリックしてください!